私が奈良県吉野町に古民家を購入し、大阪との二地域居住を始めることになった経緯について、少しお話ししたいと思います。
実は、吉野町に住むことを最初から決めていたわけではありません。10年近くの間、二地域居住の拠点となる古民家を探し続けた結果、たどり着いた場所なのです。
定年後は、違う土地で起業したい
物件探しを始めたのは、定年後の暮らしを考え始めた頃です。
これまで暮らしてきた場所とは違う土地で、新しいことに挑戦したい。できれば自然に囲まれた環境で、古民家を自分の手で改修しながら、そこで起業する。
そんな暮らしを思い描いていました。
ただし、大阪の自宅を手放して移住するのではなく、大阪での生活も続けながら、二地域居住を実現することが前提でした。
そのため、物件の価格はもちろん、大阪の自宅からの距離や交通の便も重要な条件でした。
探す地域をある程度絞る
まず、都道府県レベルで候補地を絞りました。
和歌山県、奈良県、そして大阪府です。
大阪府内にも空き家はありますが、私が探していたような物件は空き家バンクではあまり見つかりませんでした。
そこで、主に和歌山県と奈良県を中心に探すことにしました。
和歌山県では、橋本市、九度山町、かつらぎ町あたり。
奈良県では、葛城市、御所市、五條市、大淀町あたりを候補にしていました。
今振り返ると、最初から吉野町を特に意識していたわけではありません。
自分が実現したい暮らしを考え、大阪から無理なく通える範囲で、自然があり、手頃な価格の古民家が見つかりそうな地域を探していたのです。
ほぼ毎日、空き家情報をチェック
物件探しで活用していたのが、「Sumai空き家」というサイトです。
このサイトでは、全国の空き家バンクなどに掲載された物件を、地域や条件から探すことができます。
私は「奈良県」「和歌山県」「大阪府」といったキーワードで、ほぼ毎日、物件情報をチェックしていました。
探していたのは、価格150万円前後の比較的安価な古民家です。
もちろん、価格が安ければ何でもよいわけではありません。自分たちの二地域居住の拠点として使えること、そして将来的には仕事にも活用できる可能性があることが大切でした。
気になる物件が見つかれば、掲載元の自治体や空き家バンクの情報を確認します。
空き家バンクの物件は、自治体ごとに利用登録が必要となります。私も候補となる市町村に利用登録を行い、気になる物件が出てきたときに、内見などの手続きを進められるようにしていました。
九度山町と吉野町の古民家
そうして探し続けるなかで、九度山町と吉野町に、価格が手頃で、なかなか良さそうな古民家が見つかりました。
九度山町の物件は200万円、吉野町の物件は100万円だったと思います。
どちらも興味を引かれる物件でしたが、実際に検討していくと、それぞれ事情が異なりました。
九度山町の物件は傾斜地にあり、駐車場がありませんでした。
二地域居住で使うことを考えると、車でのアクセスや日常的な使い勝手は重要です。残念ながら、この物件は断念することにしました。
一方、吉野町の物件は、国道から細い道を奥へ入ったところにありました。
決して便利な場所とはいえません。しかし、敷地には母屋だけでなく、蔵、離れ、倉庫、車庫があり、さらに畑や竹林まで付いていました。
私がやりたかった古民家のDIYや田舎暮らし、そして将来的な仕事の拠点として考えると、十分すぎるほどの内容だったのです。
価格だけでなく、建物や敷地を含めた全体の価値に魅力を感じました。
物件との出会いを後押ししてくれた人たち
もちろん、物件そのものが良かっただけではありません。
所有者の方は真摯に対応してくださり、価格についても、かなりご配慮いただきました(ありがとうございます)。
また、空き家バンクを通じてやり取りを進めるなかで、役場の担当者の方にも親切に対応していただきました。
物件、所有者の方、そして役場の担当者の方。
それぞれとのご縁が重なったことも、購入を決めた大きな理由です。
こうして、10年近く探し続けてきた二地域居住の拠点は、奈良県吉野町に決まりました。
古民家探しで大切だと思うこと
今回の経験から、これから古民家や空き家を探す方にお伝えしたいことが二つあります。
一つ目は、探す地域をある程度絞っておくことです。
最初から一つの町だけに限定する必要はありません。私の場合も、和歌山県と奈良県の複数の市町村を候補にしていました。
大切なのは、自分がどのような暮らしを実現したいのかを考え、それに合った地域をいくつか選んでおくことだと思います。
二つ目は、物件情報をこまめに確認することです。
私自身、ほぼ毎日、空き家情報をチェックしていました。そのおかげで、吉野町の物件が掲載された際にも早い段階で気づき、結果として一番目に内見することができました。
安価で条件のよい物件は、いつ出てくるかわかりません。
(物件内覧は問合せの入れた順番になります、また吉野町は役場の職員さんが対応されるため、平日になり、日程調整期間も必要になったりします。)
探し始めてすぐに見つかることもあれば、何年もかかることもあります。だからこそ、希望条件を整理し、情報収集を続けることが大切なのだと思います。
10年近く探し続けた結果、私が出会ったのは、当初から予定していた場所ではなく、奈良県吉野町の古民家でした。
物件との出会いにはタイミングもあります。しかし、そのタイミングを逃さないためには、日頃から探し続けることも必要なのではないでしょうか。
これから古民家での二地域居住や、田舎での新しい暮らしを考えている方にとって、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。
(写真)
吉野事務所の入り口です。
たぬき、いてます。

